こんにちは!西宮市在住のママ、ひろです。令和7年6月10日、小雨が降りしきる中、私は西宮神社の「えびすの森」への特別参拝に向かいました。この日は月3回しかない貴重な参拝日の一つ。雨のせいか参拝者は少なく、1回につき20人程度という静寂に包まれた中での神聖な体験となりました。
西宮神社、「えびすの森」特別参拝って何?なぜ行くの?
私がこの特別参拝に参加した理由は、西宮神社と恵比寿様について深く知りたいという思いからでした。恵比寿様と言えば、商売繁盛の神として親しまれていますが、その背後にある深い歴史や物語について、もっと理解を深めたいと考えていたのです。文章で知っていくこともできますが、体験しながらしっていくことが身になる感じがしているので、この機会に行ってきました。
神職の方にお話を伺うと、この特別参拝は60年に一度のタイミングで行われる極めて貴重な機会だということでした。4月から始まり、6月20日で終了となるため、残すところあと1回の参拝機会しかありません。
雨が織りなす神秘的な森の世界
雨の匂いと音に包まれた「えびすの森」は、まるで異世界への入り口のようでした。普段なら聞こえるであろう街の音も雨音にかき消され、森全体が静寂と神秘に満ち溢れていました。雨粒が新緑の葉を叩く音は、まるで自然が奏でる歌のようでもあります。
この森は兵庫県指定天然記念物であり、境内の約3割、2.6ヘクタールを占める広大な鎮守の森です。樹齢数百年を超えるクスノキが立ち並び、多種多様な植物が生い茂っています。私が普段参拝している西宮神社に森のイメージはありませんでした。今回の機会で初めて、西宮神社が森とつながっていると体感しました。また、雨に濡れた新緑はより一層鮮やかで、6月という季節の美しさを存分に感じることができました。
参拝者たちの素顔
雨にも関わらず集まった参拝者の皆さんは、30代から60代の方が多い印象でした。皆さん真剣な表情で神職の方の説明に耳を傾け、この貴重な機会を大切にしている様子が伝わってきました。
恵比寿様との神聖な対面
森の奥へ進んでいくと、本殿裏第一殿の前に真新しい祠が見えてきました。そこに祀られているのが、今回特別にお姿を現された恵比寿様です。
実際に恵比寿様と対面した瞬間、その親しみやすい笑顔に心が温かくなりました。この恵比寿様には直接触れることが許されており、実際に触れてみると、優しく温かな感触がありました。まるで本当に生きている方に触れているような、不思議な感覚でした。
神力が宿る白い砂の体験
特別参拝の最大の特典は、恵比寿様の神力が宿るとされる美しい白い砂を自分の手で掬って持ち帰れることです。この白い砂は、さらさらとした細かな感触で、手に取ると微かに甘い香りがしました。神職の方によると、この砂は自宅の敷地に撒いてお清めや厄除け、魔除けに用いるとのこと。マンションなどでは小皿に入れて玄関に置くのが良いそうです。
恵比寿様の深い歴史と物語
神職の方から詳しく教えていただいた恵比寿様の歴史について、印象深いお話をお聞きすることができました。恵比寿様は七福神の中で唯一の日本古来の神様で、その起源は古事記の時代まで遡ります。
古事記によると、恵比寿様の前身である蛭子大神(ひるこのおおかみ)は、伊邪那岐命と伊邪那美命夫妻の最初の子として生まれましたが、体が不自由であったため、3歳になっても歩けず、葦の舟で海に流されたという悲しい物語があります。
しかし、海に流された蛭子大神は兵庫県西宮の「摂津国西の浦」に流れ着き、土地の人々に拾われて育てられ、「戎三郎(エビスサブロウ)」と呼ばれるようになりました。このようにして、困難を乗り越え、最終的には福の神として多くの人々に愛される存在となったのが恵比寿様です。
この物語は、困難な状況からも立ち直ることの大切さを教えてくれる、現代にも通じるメッセージが込められていると感じました。
森の奥深さと神秘性
神職の方から特に注意されたのは、この森の広大さと迷いやすさでした。「一人で奥へ入っていくと迷って出てこられなくなった方もいる」とのことで、必ずガイドに従って行動するよう指導されました。実際、森の中を歩いていると、まるで無限に続くような奥深さを感じ、一人では確実に迷ってしまいそうな雰囲気でした。
この森は、作家・村上春樹氏が少年時代に遊び場としていた場所でもあり、小説『海辺のカフカ』に登場する「神社の林」のモデルの一つとも言われています。実際に歩いてみると、村上作品特有の神秘的で幻想的な世界観を感じることができました。
持ち帰った神力の体験
自宅に戻ってから、恵比寿様からいただいた白い砂を敷地の周りに撒きました。砂を撒きながら、雨の森で体験した神聖な時間を思い返し、この貴重な体験への感謝の気持ちでいっぱいになりました。
最後のチャンス – 6月20日参拝のすすめ
この60年に一度の特別参拝は6月20日で終了となります。月に3回しかない参拝機会で、次回がいつ行われるかは分かりません。恵比寿様と直接対面し、神力が宿る白い砂をいただける、この貴重な機会をぜひ多くの方に体験していただきたいと思います。
特に雨の日の参拝は、晴れの日とはまた違った落ち着いた雰囲気を味わうことができます。雨音に包まれた森の静寂の中で出逢う恵比寿様は、きっと心に残る体験となることでしょう。
開催情報
- 会場: えびす宮 総本社 西宮神社
- 所在地: 兵庫県西宮市社家町1-17
- 最終参拝日: 令和7年6月20日(金)午後0時〜3時
- 初穂料: 1000円
- お問い合わせ: 0798-33-0321
この貴重な機会に、ぜひ「えびすの森」で恵比寿様との出逢いを体験してみてください。きっと心に残る、印象深い時間となるはずです。
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